2008-02-07 17:28:37
M65 (フィールドジャケット) [ ファッション ]
1965年に正式採用されたことから、一般的にM-65フィールドジャケットと呼ばれている。
初期のものはラベルに「COAT, MAN'S, FIELD, M-65」の表記があったが、 後に「M-65」の表記が無くなり、代わりに「COLD WEATHER」の文字が追加された。 他には「〜WITH HOOD NYLON COTTON SATEEN OG 107」と併記されているものもある。ミリタリー通販ストリート「ミリタリー関連商品」を販売中。軍放出物やお宝ものなど、その時々のオススメ商品をご紹介したします。
最終的には「COAT, MAN'S COLD WEATHER,FIELD〜」 砂漠地帯で用いられた6C及び3Cのデザート迷彩では、 6Cのものには「COAT,CAMOUFLAGE PATTERN:DESERT」、3Cのものには 「COAT,COLD WEATHER,FIELD,DESERT CAMOUFLAGE PATTERN」と記載されている。 寒冷地用外套ということからも分かる通り、 元々はアメリカ軍の装備品では単なるジャケットというより 防寒用のコートという位置づけであると思われる。 裾の長さは、各々のサイズ毎にX-Short、Short、 Regular、Longの4種類がある(ただしL,X-LサイズにはX-Shortの設定は無い)。
本モデルは第二次世界大戦から朝鮮戦争において使用されたM-41やM-43、 M-50、M-51フィールドジャケットの後継として開発され、 1990年代の終わりにデザートパターンの 軍への納入が完了するまで実に40年以上にわたってアメリカ軍の現用モデルであり続けた。
M-43の洗練されたジャケットスタイルと、M-51のライナー統合システムを継承した M-65のデザインは他のモデルにも強い影響を与え、アメリカ軍のみならず、NATOなど 周辺国の戦闘服でも類似するデザインを採用している例が多くある。 日本においても近年自衛隊の採用された防寒戦闘服外衣の 上衣は外観、素材、襟に収納するフードなど M-65に強く影響されていることが伺える。 アメリカ軍がこれまでに採用したミリタリー アイテム中で傑作の一つと言われている。 主にアメリカ軍及びアメリカ沿岸警備隊などによって用いられたが、 南ベトナム軍や韓国軍などアメリカの支援する国々の兵士達にも 少数ながら支給され着用された例がある。 非公式に戦闘地域で用いられた例は後述する。
1980年頃から採用されたBDUが 2008年までにアメリカ軍の装備がACUに 完全移行されるのに合わせ、近年ではゴアテックスなどの新素材で 作られたECWCSパーカー などの新モデルが採用され、1990年前後に M-65のアメリカ軍へ正式な納入は完了している。 しかし、ゴアテックス製品は非常に高価で、 部隊内で支給されるものだけは不足しがちである。 アメリカ軍では州兵を始めとして、 ボディーアーマーなど官給品以外の私物装備の持ち込みが 他国の軍隊よりも比較的緩やかなこともあり、 入手しやすい価格帯のM-65は いまだに多くの基地内のPXなどで現在でも販売されており、 兵士が私物装備として使用を続けている場合もある。 官給品ではないものの、アメリカ陸軍が採用する ACU迷彩パターンや アメリカ海兵隊が採用する2種類のMARPAT迷彩パターンといった デジタル迷彩のものあり、実際に訓練や戦場に 持ち込まれることもある。
現場の兵士達の間ではECWCSに採用されたゴアテックス素材の 撥水性、保温性、放湿性、軽量性は歓迎されているものの 洗濯を繰り返した場合の長期的な耐久性や 野外での引っ掻きや擦れなどに対しては 旧素材のほうが高いという意見や、 ゴアテックスは付属のフリース素材の ライナーを重ね着しなければ、 それほど保温性が高くないので結局は蒸れてしまうという意見、 また厚く頑丈な生地で作られていたM-65は作業をする際に 身体を保護することができ、簡単な破損であれば 比較的容易に修理が可能なことから、 長年使用され続けてきたM-65が現役を退いたことを惜しむ声も根強くある。
近年では軍用のみならず、ファッションとして、着用される例も多くみられ、
1976年に公開された映画タクシードライバーでは ロバート・デ・ニーロ扮するトラヴィスが着用していた。 (ショルダー・ループ付でファスナーがアルミ製の前期モデル) 左袖にはトラヴィスのキングコングの刺繍の入ったパッチが縫いつけられていた。 これは所属した海兵隊偵察部隊(架空)のチームパッチという設定。 右胸にはチームパッチと"We are the people"と書かれた缶バッジが 付けられていた。
1982年に公開された映画ランボーでは シルヴェスター・スタローン演じるベトナム帰還兵ジョン・ランボーが 戦友を訪ねる時に着用していたのはOD色でブラスジッパーのM-65であった。 胸には星条旗と「U.S.ARMY」の徽章が縫いつけられていた。 襟は寝せて着用。
1979年に公開されたクレイマー、クレイマーでは、 ダスティン・ホフマン演じるテッド・クレイマーが OD色のものを着用している。
2004年にフジテレビで放送されたテレビドラマ プライドでは木村拓哉演じる主人公が、 黒のM-65を着用していたが、背中に30個の星型の 刺繍が施されたリメイク品であった。
2006年に放送されたたったひとつの恋で 亀梨和也の演じる主人公が着用しているカーキ色のM-65は、 wjkというドメスティックブランドのリメイクモデルであり、 モデル名をM-66としている。
高倉健はプライベートや映画の中でM-65を着用することが多く、 ホタル(2001年)、単騎、千里を走る。(2005年)で 共に黒のモデルを着用している。
2007年に公開された映画ロッキー・ザ・ファイナルでは シルヴェスター・スタローン演じるロッキー・バルボアが 劇中の多くの場面で着用していたのは使い込まれた様子の 黒色のM-65であった。常時襟は寝せてあり、下に着用した別の パーカーのフードを外に出していた。劇中のシーンでポケットの多いM-65の ポケットを探りながら「カンガルーのポケットみたいだ」と話すシーンがあるN-2B N-3Bミリタリージャケット
この他にもタレントの所ジョージや浜田雅功なども 着用していることが知られている。
また、ファッションブランドがジャケットを製作する際に その要素を取り入れる元ネタに使われることも多く、 ミリタリーグッズの愛好者だけでなく 様々な装飾を加えリメイクされたジャケットが数多く登場しており、 一見するとオリジナルが分からないほどに、 デザイン化されたものも一部の若者たちによって愛好されている。
ファッション用の衣類として用いる上での難点として、 重量が重いこと、背中の部分にフードが収納される構造のため、 猫背気味に見えてしまい、ややシルエットを崩してしまうことがある。 また、本来コートとして下に重ね着することを前提としているため、 前身ごろや腕の部分がかなり太めに作られているため、 ジャケットスタイルで着用するには全体的に ややだぼついた感じになってしまうことがある。 このため軍納入品を製造している会社であっても、 民間用には素材や構造をやスリムに改良した製品を 販売している製造者もある。
軍への納入が終了した現在でも民間レベルでのニーズがあるため、 製造が続けられ、アメリカ国内以外でも中国などの工場で ほぼオリジナルと同じスペックで作られた民生品も 軍の放出品やデッドストックと共に多く流通している。 アメリカ国内で作られた製品も輸出用として海外へ大量に送られいる。 ミル・スペック(アメリカ軍標準規格)とほぼ同等に作られたものだけでなく、 アジアの工場で作られたものには生地や裁縫が粗雑なものも混在して M-65と称して販売されている。 また軍に正式に納入された製品は規格に基づいて一つ一つチェックされることに なっているが、実際のところはロットによってその品質にはかなりの ムラがあり納入品であっても、糸のほつれや縫いの粗い製品などもある。 最終的な製品チェックで不合格になった製品も 軍放出品として民間に払い下げられ出回っていることもある。 基本的に国費で製作された不合格品や払い下げ品は 赤い塗料などでチェックが入れられた後民間へ払い下げられる。 これらの理由からM-65を称するコピーや 粗悪な製品も多く出回っており注意が必要である。
軍納入品と民生品との違いは、内側に縫いつけられたラベルを見るとわかる。 素材や使用法の他に、コントラクトナンバーと呼ばれる契約ロット番号が記載されている。 これによって、発注機関、納入年などが分かるようになっている。 近年ではラベルと共にコントラクトナンバーの記載された バーコードも官給品には添付されている。 しかしながらこのラベル自体もそのままコピーされている場合もあり、 レプリカか正式な軍納入品かを見分けることが困難な場合もある。
これ以外にファッションだけでなく、野外作業などの実用にも使われ、 アウトドアスポーツやバイクのライダーがM-65を着用している様子がしばしば見られる。 時にはいまだに非正規軍などにおいて軍用として戦場で着用されることもある。 例えばアメリカ同時多発テロ事件を首謀したとされるオサマ・ビンラディンは 犯行声明を収めたビデオ映像の中でM-65のウッドランドパターンのものを着用していた。 このほかにも南米、中東、アフリカのテロリストグループなども着用していた例がある。 その頑丈な作りは実用性に優れ、本来アメリカ軍とは敵対する勢力においても使用されるほどである。